投稿日:2007年6月29日 / 更新日:2013年3月27日


日本デジタルゲーム学会 第9回月例研究会 「ゲームニクス理論の概要と実践」(6月29日)

開始時間 17時30分
定員数 120人

第9回月例研究会の概要が決定いたしましたので、お知らせいたします。

開催日時:2007年6月29日(金) 17:30開始 19:30終了
場所:東京大学本郷キャンパス 工学部新2号館9階 92B教室
定員:120名

講師:
サイトウ・アキヒロ
(株式会社ビーマットジャパン取締役CTO/立命館大学映像学部教授)

講師プロフィール:
多摩美術大学在学中から、CMディレクターとして多数の作品を手がけ、また20年以上にわたり任天堂など多くのゲームディレクションに携わる。雑誌「ファミコン通信」の立ち上げ・編集も行うなど、活動範囲は多岐にわたる。近年はゲーム制作の基本概念となる「ゲームニクス理論」を提唱。またネットワーク時代における”感性推論型人工知能”の開発を推進中。

モデレータ:
小野 憲史
(ゲームライター)

モデレータプロフィール:
「ゲーム批評」(マイクロマガジン社)編集長を経てフリーライター。
「SlashGames」「まんたんウェブ」などで執筆。テレビゲーム業界を中心に取材・執筆中。

タイトル:
「ゲームニクス理論の概要と実践」

概要:
日本のテレビゲーム開発には2つの不文律が存在します。1つは
「誰でも、取扱説明書を読むことなく、ゲームが始められる」。もう1つは「誰でも、遊んでいるうちに、ゲームにハマってしまい、ゲームが上手くなっていく」です。

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これは実用品の世界にはほとんど見られない、ゲームならではの特性です。携帯電話やDVDレコーダー、銀行ATMなどの操作と比べると、その差は一目瞭然でしょう。テレビゲームの操作性やユーザー・インターフェースに関する開発ノウハウは、圧倒的に優れているのです。

ニンテンドーDSやWiiが大ヒットを記録しているのも、単にタッチパネルやモーションデバイスという技術が新しかったからではありません。
ファミコンから続く任天堂、そして日本のゲーム開発が蓄積してきた、UIにまつわる開発技術が下支えになっていることは、言うまでもないでしょう。このことはゲーム開発者自身が、無意識のうちに理解していることだと思います。

しかし、これまでこうした開発ノウハウは、ゲーム開発者のセンスとして捉えられており、マニュアル化されることはありませんでした。そのためゲーム業界を超えて、外に広まることはありませんでした。さらに今後はゲーム開発の大規模化や急速な技術進化に伴い、ゲーム業界内での技術の伝承すら難しくなることが予測されます。

一方で近年、海外ゲームの遊び易さが向上しているのも、いわゆる「ニンテンドー・キッズ」が成長し、ゲーム開発のメインストリームとなるに従って、無意識のうちに日本のゲームに見られる操作性や、ユーザー・インターフェースの共通理解が深まっていることと、無縁ではないでしょう。

こうした現状に対して講師は、ゲーム開発者としてゲーム開発に取り組む傍ら、この開発ノウハウに対して「ゲームニクス」という名称を作り、その体系化に取り組んできました。現在は立命館大学映像学部の教授として、ゲームニクスの研究や理論化を行っています。

本公演では、まず「ゲームニクス理論」の概要についてご説明します。その上で、ゲームニクス理論を媒介とした、家電・IT・教育など、異業種とのコラボレーションについて、実例を交えながら議論を深めていきたいと思います。

なお、正会員・学生会員・賛助会員(一口あたり代表者3名まで)の方は無料となりますが、準会員・非会員の方は1,000円の参加費が必要となります。

当日、受付にて会員受付も行います。当日会員になられた方は、参加費を支払う必要はございません。
会員の受付は、正会員の方は年会費10,000円の納入、学生会員の方は年会費2,000円の納入および学生の身分を証明するものの提出(氏名が鮮明に写った学生証のコピーなど)をお願いいたします。