投稿日:2018年6月24日/ 更新日:2018年6月24日


ヘルシンキの小山です。白夜期間中は本当に日が沈みません。逗留先の窓が北向きなのですが、窓から夕焼け・朝焼けが見えます。何時間も夕焼けが続いたと思うと、そのまま朝焼けに移行していって、結局暗くなりません。生活リズムを維持するのが割と大変です。

逗留先の宿の窓からとった夕焼け(5月30日、午後11時頃)。このまま気がついたら朝焼けになって日が昇ります。

フィンランドに来て90日が過ぎ、早いものでサバティカル期間も4分の1が過ぎました。
フィンランドの大学は5月で春学期が終了し、夏休みに入ります。そのため、大学周辺でのイベントは少なく、足を運んだのは「Games Now!ストリーミング放送(5月21日)」のみです。

アールト大学のDesign Factoryでは定期的にゲームに関するストリーミング放送をしているそうです。(詳細は https://www.facebook.com/gamesnowaaltofi/

そこで、春学期最後の講演会がFacebookでアナウンスされていたので行ってみました。
普段はヘルシンキ市内のキャンパス内に場所をもらっているのですが、Design Factoryはヘルシンキ中央駅から地下鉄に乗って15分程度の場所にあるエスポー市内のOtaniemiキャンパスにあります。

新しく作られたAalto University駅を降りて目的の建物まで約10分ほど歩いたのですが、途中は緑が多くとても綺麗なキャンパスでした。大学名となったアルヴァ・アールトの設計した校舎が有名です。

Aalto University駅。駅名がフィンランド語とスウェーデン語の併記で示されている。

アールト大学のキャンパス。奥で木々に半分隠れている扇形の建物が、有名な建築家アルヴァ・アールトが設計した校舎。

アールト大学内の道案内。赤い「Silicon Valley」の案内があるのが、大学のベンチャー志向の強さを物語っている。

Games Now!の講演者はT. L. Taylorさんでした。彼女はRaising the Stakes: E-Sports and the Professionalization of Computer Gaming,The MIT Press, 2012の著者であり、eSportsに関する研究では第一人者の方です。

講演では現在までのeSportsを3つの波(wave)で整理していました。

1つめの波(1970年代~80年代):キーワードは”Game”。
アーケードや家庭用ゲーム中心で、熱心な人たちのコミュニティ(entuhusiast communities)が生みだした。

2つめの波(1990年代~2000年代):キーワードは“Sports”。
マルチプレイヤーのゲームで、真剣なレジャーかつプロ化の進展(serious leisure& rise of professionalization)、第三者機関の登場と産業の関わりの深化が進んだ。

3つめの波(2010年~現在):キーワードは”Media Entertainment”。
ブロードキャスティング、分業の進展、デベロッパーの関与が進んだ。

端的に言うと、ゲーム→スポーツ→メディアエンタメ、と言う流れで発展してきたと言うことです。この流れで言うと、日本は2つめの波の段階で止まってる、という感じでしょうか。

講演のあとの質疑応答で、一つ質問をしました。内容はこんな感じです。

「日本だと、eSportsのチームはすぐに消える。これはまともな収益基盤がないから。サッカーを例にたとえると、eSportsのチームは主催興行試合もないし、中央の団体から放映権収入の配分もない。世界ではどうなのか?このままではeSportsに持続可能性はないのではないか?」

この質問には”good question”と言いながらはぐらかされたので、世界でもあまり状況は変わらないんだろうと思います。eSportsは上手くテイクオフできた国では順調かもしれませんが、日本だと社会制度面の不備も合わせてなかなか大変な気がします。

もう一つ話題を出すとすると、昨年の七邊(小林)さんのフィンランド便り(http://digrajapan.org/?p=4659)で紹介されていたヘルシンキゲームファクトリー(http://www.gamesfactory.fi)が正式にオープンしました。そのオープンイベントが6月1日にあったのですが、気がついたときにはチケットがSold Outでは入れませんでした。

「誰か知り合いが居たらどさくさでは入れないか」と思ってイベント開始時間頃に会場前までは行ったのですが、誰にも会えなかったので写真だけ撮って帰ってきてしまいました(残念)。ゲームファクトリーはベンチャー企業のインキュベーション施設Maria01の敷地内にあり、多くの人で賑わっていました。

Game Factory入り口。記念の花が見える

ヘルシンキゲームファクトリー オープニングイベントの様子。

ヘルシンキに来てからずっとフィンランド国内から出ていませんが、国際学会シーズンです。トリノで行うDiGRAの本大会は残念ながらRejectされてしまったのですが、イングランドで行われるReplaying Japanには参加します。また、Nordic DiGRAに申し込む原稿が現在英文校正中なので、校正が上がり次第参加申し込みを行う予定です。その頃には、フィンランド以外の様子もお伝えできるかもしれません。