投稿日:2015年8月3日 / 更新日:2016年3月2日


○2015年度 夏季研究発表大会 学生大会奨励賞:

粟飯原 萌氏(日本大学大学院生産工学研究科)

[対象研究] シリアスゲーム型学習用教材構築法の提案及び開発の取り組み

受賞理由:

 本研究では、教授法、教材設計・構築法、ゲームデザインなどの関連先行研究を踏まえ、ARCS モデルに基づくシリアスゲーム型学習用教材の構築法ならびにそのプロセスを提案し、英語、数学、サイバーセキュリティ分野における教材開発事例について報告しており、非常に分かりやすく構成されている。あらゆる分野における応用事例が示されており、今後の研究成果が期待される。
しかしながら、その成果が開発内容にとどまっており、それが本当に役立つのかという点に関して十分に検証がなされていない。また、ARCS モデルやプロセスについて分野ごとの相違などの検討が望まれる。

 (共著者)
大久保 友博・小林 優太(日本大学大学院生産工学研究科)
岡 亜由美・古市 昌一(日本大学生産工学部)

谷 茉莉香氏(東京大学大学院学際情報学府)

[対象研究] ホラーゲームが喚起する感情:インタラクションの有無に着目した実験による検討

受賞理由:

 ホラーという、日本が世界に対して独自の競争力を持つ分野を対象としており、研究上の着眼点として優れている。また、心理学的観点から学術的手続きを踏まえ、統計的検定による検証も妥当な方法によって行われている。加えて、得られた結果に関しても丁寧に解釈すれば、興味深い指摘がなされている。
しかしながら、仮説(1)、仮説(2)は結果も踏まえると、一般的に容易に想定されるものであり魅力的な仮説とは言い難く、本研究で最も興味深い結果が示されている仮説(3)自体が分かりづらい。恐怖感情と悲しみ感情に関して先行研究をもとに十分な議論を行った上で分析を行えば、学術的研究としての価値が高まるだろう。

(共著者)
馬場 章(東京大学大学院情報学環)