投稿日:2025年2月15日 / 更新日:2025年2月15日


「第19回 ゲーム教育SIG勉強会:化学とゲーム」を開催
2024年11月22日20:00-21:30

 こんにちは。東京大学大学院学際情報学府修士2年生の犬田悠斗です。ゲーム教育SIGでは、2024年11月22日に、第19回勉強会をオンラインで開催しました。今回のテーマは、「化学とゲーム」についてでした。参加者は6名でした。

 今回の勉強会では、伊藤賢一先生(日本大学)から、化学分野の教育・学習ゲーム(化学ゲーム)に関する事例や学術論文について発表していただき、その後質疑応答を行いました。

■発表 (伊藤賢一先生 化学とゲーム)

 今回の発表では、主に化学ゲームの先行事例や先行研究について報告されました。化学を専門とされている伊藤先生は、アメリカ化学会の論文誌を文献調査する中で、化学ゲームが多数報告されていることに気づかれました。伊藤先生は、そのことに興味を持ち、過去10年間を遡り、化学ゲームの先行事例や文献を収集され始めました。

 アナログゲーム形式の化学ゲームについては、国内ではカードゲームが主体、海外ではボードゲームが主体で開発が行われていることを報告されました。具体的には、国内だと『アトモン』(tanQ, 2021)や『イオンカード』(奥野カルタ, 2021)などのカードゲーム、海外だと『Compounded』(Dice Hate Me Games, 2013)などのボードゲームが開発されています。一方で、デジタルゲーム形式の化学ゲームについては、現在調査中であり、進捗としてGoogle PlayとApp Storeでの検索結果について報告されました。

 加えて、国内と海外の化学ゲームに関する特徴的な学術論文についても紹介されました。国内の学術論文では、クロスワードパズルを用いた1980年代の研究や学習ゲームを簡単に作成する方法の研究について共有されました。海外の学術論文では、主に新規制作のゲームの実証研究について紹介されました。どの研究も概ねユーザー体験と学習効果についてポジティブな結果が報告されていました。伊藤先生は、国内と海外の学術論文のレビューを通じて、海外の化学ゲームに関する学術論文の多さに圧倒されるとともに、国内での同テーマの学術論文の少なさとその評価の低さに驚かれていました。そして、この評価の低さは、認知度の低さが最大の要因であると考えられていました。

 今後は、国内での化学ゲームの認知度を拡大するために、文献レビューを進め、総説の作成を行うことを予定されています。加えて、これまでに開発された化学ゲームの再現とその効果の再検証を行うとともに、生成AIを活用した新規の化学ゲームの開発も進めていく計画を立てられています。これらの研究で得られた知見は、「サイエンスアゴラ」などの外部イベントで発信される予定です。


 今回の報告記事は以上になります。化学ゲームの可能性とその奥深さを知ることができる学びの多い勉強会になりました。次回勉強会は、1月17日に「東京eスポーツフェスタ2025参加報告と桜ヶ丘高校ゲーム制作ゼミ実践報告」を行う予定です。ぜひ次回の報告記事もお読みください。それでは。