投稿日:2008年7月4日 / 更新日:2013年3月27日


日本デジタルゲーム学会 第14回月例研究会(7月4日)

開始時間 18時00分

第14回月例研究会の概要が決定いたしましたので、お知らせいたします。

開催日時:2008年7月4日(金) 18:00開始 20:00終了
場所:東京大学本郷キャンパス 工学部新2号館9階 92B教室
(地図)http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_18_j.html
定員:120名

講師:
新 清士(ゲームジャーナリスト、IGDA日本)
三宅 陽一郎(フロムソフトウェア)

タイトル:
「『SPORE』を読む〜ウィル・ライトの思想とゲームデザイン」

概要:
「シムシティ」シリーズのクリエーターであり、世界で最も有名なゲームデザイナーウィル・ライト(Maxis/EA)が現在開発している「SPORE」は、微生物から、生物、文明、そして、銀河への進出を目指すといったシム生物のすべてとも言うべき、巨大なコンセプトを持っている。
9月7日の発売前に先立ち、生物の形状を自由に作成できる「SPOREクリーチャークリエイター」が6月18日にリリースされた。今後のビデオゲームにおいて主流になると思われる最新のプロシージャル(自動生成)技術が多数つぎ込まれており、テクノロジーのベンチマーク的な側面も持っている。このツールでも、その一端が見えており、簡単な操作で、どんな形状の生物も作れ、動作するように仕組みが整えられている。
また、作成したクリーチャーのデータを他のユーザーと共有することやYouTubeなどへの連動が簡単にできるというユーザーコミュニティを作るスキームを設計する上でも様々な新しい仕掛けが施されている。

この「SPORE」に至るデザインコンセプトは、どこから来たのだろうか。ウィル・ライトは、GDC2005の講演で「SPORE」を初めて発表し、旋風を巻き起こした。ただ、GDC2001の「The Sims(シムピープル)」のゲームデザインについて語った歴史的な基調講演にまで、さかのぼることができる。ウィル・ライトは、ゲームデザインを要素として分解し、明快に実装可能なコンセプトにまとめ、実際のゲームで実現するのが上手い人物として知られている。また、ユーザーへの積極的な開発ツールの提供などによってコミュニティを構築していく手法もたけている。

それらの過去の公開されている資料を総覧しながら、「SPORE」にまで至るウィル・ライトの思想に迫る。また、実際にリリースされているものを見ながら、現在の時点で見えているプロシージャル技術の要素の解説を行い、研究や開発に応用可能な要素を議論する。

※参加には、「SPORE クリーチャークリエイター」を事前に触っておくことを強くおすすめします(無料体験版あり、PC用)
http://www.japan.ea.com/spore/amusement/index.html

なお、正会員・学生会員・賛助会員(一口あたり代表者3名まで)の方は無料となりますが、準会員・非会員の方は1,000円の参加費が必要となります。