投稿日:2016年12月5日 / 更新日:2016年12月5日


千葉大学教育学部の授業実践開発研究室(藤川研究室)では,2016年12月3日(土),4日(日)にグリー(株)本社(東京・六本木)で小学校5,6年生を対象とした社会科及び家庭科を対象とした学習ゲームを制作するハッカソンを実施し,日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN) 教育SIGの古市委員と学生広報担当委員の粟飯原とで取材してきました.

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発表会終了後の集合写真(中央部が優勝したShow Time!開発者のチーム)

本ハッカソンを実施するのは今年が4回目,大学2年生から大学院生までを対象とした「メディアリテラシー教育演習」の受講または聴講をする学生を対象として実施しているもので,26名の学生らが参加し,グリー(株)のエンジニア及びクリエイターの皆さん10人も交えて4チームにわかれ,4つの学習ゲーム(社会科A,B及び家庭科A,B)を制作しました.ここで制作する学習ゲームに求められるのは5つの要素で,協働性,ゲーム性,デザイン性,学習効果に加えて,教材としての完成度,すなわち実際の教育現場で小学生の授業で教材として使った際,児童の関心,意欲を高めて実際に使い物になるか否かが,とても重視されていました.

学生の皆さんは教育学部のため大学ではプログラミングを学んでおりませんが,事前に実施したアイデアソンによるゲームの企画段階から設計部分に注力し,プログラミング部分はグリー(株)の方に支援していただき,プロトタイプ4本を2日間で制作することができました.中には,優勝した「Show Time!」(家庭科B)でグラフィックを担当した大学院の学生さんは,なんと約60枚ものイラストを制作し,優勝に大きく貢献したようでした.優勝チームの作品は今後更にブラッシュアップされた後にグリー(株)がリリースも検討するとのことです.

教育学部の学生さんが,このようなハッカソンを通してチームによるゲーム制作を経験し将来教員になるとすると,将来の教育現場での教材はきっと今以上に魅力的なものになることでしょう.将来的には,現場の先生も含めて総ての先生にこのようなハッカソンを経験してもらえると良いな,と取材を終えて感じました.

日本デジタルゲーム学会 教育SIGでは,12月10日(土),11日(日)に第5回シリアスゲームジャムを開催し,世界6カ国の学生及び社会人が総勢40名東京・立川の(株)ビサイドに集まって5本のシリアスゲームを制作します.ゲームの力を学びの場に利用しようとする千葉大学での試み,そしてゲームの力を社会における様々な問題解決に利用しようとする日本デジタルゲーム学会 教育SIGの試み,ゲームが持つ力は,今後もっともっと色々なことに応用できそうですね!と感じたハッカソンの取材でした.