杜の都ともいわれる仙台。その近郊に位置する開催校の宮城大学もまた緑溢れる杜の中にあります。今回の年次大会では、ますます多様化が進むデジタルゲームをこの「杜」になぞらえて、大会テーマを「ゲームの杜へようこそ」としました。ゲームの多様性を改めて認識するとともに、それをいかに進化させ、「杜」として成長させていくかについて考える機会にしたいと考えます。
また開催地である宮城県は2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた地域です。現在は復旧から復興のステージへと入り、地域の抱える多様な課題を克服するとともに、地域の復興と発展を図るための新たな産業の創出も求められています。仙台エリアは多くの大学や専門学校を擁する東北地方の学術・文化の中心地として、次世代を担う人材の宝庫でもあり、ゲーム産業の育成にとっては絶好の地です。最近では、仙台市が中心となりゲームを基軸とした産業振興の取組みも進められており、今回の学会の開催はゲームによる復興を進める上でも大きな契機になるものと期待しています。
早春の宮城の地で、これからの「ゲームの杜」を皆で育てるべく、多くの方々の発表とご参加をお待ちしております。
2014年次大会実行委員長 蒔苗耕司
Koji MAKANAE
宮城大学
事業構想学部デザイン情報学科教授
日本デジタルゲーム学会
2014年次大会
テーマ | 「ゲームの杜へようこそ」 |
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開催日 | 2015年3月7日(土)~8日(日) | |||||||||||||||||||||||||||
会場 | 宮城大学大和キャンパス(http://www.myu.ac.jp/soshiki/univ/univ5.html) | |||||||||||||||||||||||||||
主催 | 日本デジタルゲーム学会(DiGRAJAPAN)(http://www.digrajapan.org/) | |||||||||||||||||||||||||||
参加登録 | 大会に参加するには、参加費が必要となります。大会当日、会場にてお支払い下さい。
事前参加登録をされますと費用が割引となりますので、お早めのご登録をお願い致します。 2月27日(金)の登録締切後は当日受付料金(1000円増)となります。 2014年度年次大会 参加登録フォームはこちらから |
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参加費 |
事前参加登録者料金(割引後価格) 締め切り:2月27日(金)
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懇親会案内 | 懇親会会場 | グリーンコート (宮城県仙台市青葉区花京院1-1-20 花京院スクエア2階) 会場は仙台駅近辺です。懇親会参加者向けチャーターバスが大会初日終了後、18:10頃に会場から出発します。 |
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参加費 | 5000円 | |||||||||||||||||||||||||||
大会実行委員会 | 大会委員長 | 蒔苗耕司(宮城大学) | ||||||||||||||||||||||||||
研究委員長 | 遠藤雅伸(株式会社モバイル&ゲームスタジオ/東京工芸大学) | |||||||||||||||||||||||||||
プログラム委員長 | 三宅陽一郎(株式会社スクウェア・エニックス) | |||||||||||||||||||||||||||
一小路武安(東洋大学) | ||||||||||||||||||||||||||||
委員(五十音順) | 小野憲史(IGDA日本理事長) | |||||||||||||||||||||||||||
加藤祥基(宮城大学) | ||||||||||||||||||||||||||||
川口洋司(日本オンラインゲーム協会事務局長) | ||||||||||||||||||||||||||||
川村景吾(フリーランス) | ||||||||||||||||||||||||||||
坂本瑞季(早稲田大学) | ||||||||||||||||||||||||||||
田端秀輝(フリーランス) | ||||||||||||||||||||||||||||
福田一史(立命館大学) | ||||||||||||||||||||||||||||
松隈浩之(九州大学) |
講演日2015年3月7日14:10~15:00
悠久の歴史を刻む東北地方は、その独自の風土文化とあいまって、映画、マンガ、アニメーション、テレビゲーム、ライトノベル、ポピュラーミュージックなど、多様なコンテンツ分野において、後世にその名を刻む優秀なクリエイターを数多く輩出してきたことは周知の事実である。また、2011年の東日本大震災では、沿岸部を中心に甚大な被害を被ったが、復旧、復興に向けて絶え間ない努力を続けており、現在ではコンテンツ産業を含めた新たな地域産業の創出にも意欲をみせている。
一方で、東北地方の特徴でもある堅実かつ生真面目な地域性が、「娯楽」産業であるコンテンツ文化との関係において、様々な局面で齟齬をきたし、これまでにブレイクスルーの機会を逃してきたこともまた、否めない事実であろう。
本報告では、山形県山形市内にある「東北芸術工科大学」およびそのサテライト校舎である宮城県仙台市の「仙台スクール」において、大学教員として6年間にわたってコンテンツ文化に関する教鞭をとりながら、地域振興を目的とした様々なコンテンツ文化に関する企画を立案し実施してきた報告者の、奮闘と、挫折と、そして、ささやかな前進の足跡を振り返り、そこから「東北地方」と「コンテンツ」の今後の展望について、考えてみたい。
吉田正高氏
(東北芸術工科大学教養教育センター准教授講演日2015年3月8日12:30~13:20
仙台市では,2005年に(公財)仙台市産業振興事業団,オウル市,ビジネスオウルの4者間で「産業振興のための共同インキュベーション協定」を締結し,今年で10年目を迎えました。オウル市との関係を利用し,仙台市では,2013年10月より緊急雇用創出事業「仙台―オウルIT連携促進事業」を開始。その一環として,同年12月に,仙台から世界に向けたアプリ開発のプラットフォームとなるグローバルラボ仙台コンソーシアム(GLS)を設立しました。
フィンランドでは,近年,ゲーム産業の発達が著しく,世界的に有名なゲーム会社がいくつも生まれています。またオウル応用科学大学では,ゲーム開発に関する教育プログラムであるオウルゲームラボ(OGL)を2012年に開始し,ゲーム産業の発達に貢献しています。2014年3月にはオウル応用科学大学,ビジネスオウル,仙台市,事業団との間でゲーム産業振興のための協力合意書を締結。仙台とオウル両地域のゲーム産業の振興を目指し,GLSを仙台側の窓口に,OGLへの教育プログラムへの参加や両国間での交流セミナーの開催,共同でのゲーム開発,仙台地域でのゲーム教育機会の提供等の取組みを開始しました。
今回の講演では,GLSの活動を紹介するとともに,国際交流を通じてみえてきた両国のゲーム産業の違い,そして仙台から世界に向けた産業振興の展望について述べたいと思います。
白岩靖史氏
(仙台市経済局)スケジュールの詳細は以下のリンクからご確認頂けます。
プログラム詳細(PDF)
※3月7日(土)の11:50~13:00に、ランチミーティング形式の理事会を行います(学会理事のみ)。
2015年3月7日(土) | |||
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10:20~10:30 | オープニング | ゲームの杜へようこそ | |
10:30~11:50 | 社会環境/ゲーム倫理 | 自発的なプレイ時間制御を促すゲームシステムに関する研究 | |
向社会的ゲームの影響に関する実証的研究 | |||
ゲームの多様性、プレイヤーの多様性:"GamerGate"事件を通じて | |||
デジタルゲームの倫理に関する考察:レーティングシステムと開発者の職業倫理の観点から | |||
ゲーミフィケーション /ゲーム分類 | 小学生向けの数学的分類力を学ぶワークショップとそのアプリの開発と実証 | ||
ゲームにおける特徴要素の効果的な配分に関する研究 | |||
ゲーミフィケーションユーザー心理の研究系譜 | |||
目標の構造としてのゲーム -ゲームデザイン分析手法「UOSモデル」の提案- | |||
11:50~12:30 | 昼休み | 理事会※ | |
12:30~13:00 | 研究部会(SIG)報告会 | ゲームデザインSIG、オンラインゲームSIG、ゲームメディアSIG、ゲーム教育SIG | |
13:00~14:00 | 年次総会 | ||
14:10~15:00 | 基調講演 | 東北地方とコンテンツ―ある大学教員のささやかな奮闘記― | |
15:10~16:10 | インディーズ/サウンド | 自主制作による生計維持と自己実現の条件――日本の同人・インディーゲーム制作者への質的調査から | |
ゲームオーディオ研究の境界ー映画音楽研究からのアプローチ | |||
ゲーム構造からみたゲーム音楽分析研究に向けた研究フレームワークの検討事例報告 | |||
情報処理 | 数合わせゲームの数理 | ||
マルチエージェントシミュレーションのためのフレームワークFUSEの開発とその応用 | |||
Wolfram言語によるゲームパッドサポートを使った射影平面の幾何学サンドボックス | |||
16:20~17:40 | 企画セッション | 中国ゲーム産業の諸相(詳細)
中村彰憲(立命館大学映像学部) 徐隆(立命館大学政策科学研究科) 謝幸如(立命館大学映像研究科) 中国ゲーム産業の現状について、産業振興政策というマクロの視点とアプリのソーシャルメディアプロモーションの定量分析というミクロの視点で俯瞰し、中国ゲーム産業研究の全体像を確認する。 |
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位置情報ゲームの現在とその応用可能性(詳細)
中村 彰憲(立命館大学映像学部) 飯田 和敏(デジタルハリウッド大学デジタルコミュニケーション学部/有限会社バウロス) 殿岡 康永(株式会社オプト) 『Ingress』などを中心に、昨今大きく話題を集めつつある位置情報ゲーム(以下、位置ゲー)に焦点を当て、位置ゲーの特徴とその可能性について、開発者と研究者の双方の視点からパネルディスカッション形式で行う。 |
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企画セッション | ゲーム教育SIG活動報告「第2回シリアスゲームジャム」プロジェクトの教育・研究成果とゲーム教育の未来(詳細)
岸本 好弘(東京工科大学メディア学部) 古市 昌一(日本大学大学院生産工学研究科) 藤原 正仁(専修大学ネットワーク情報学部) 前川 歩(日本大学生産工学部) 大塚義弥(東京工科大学メディア学部) ゲーム教育SIG (Special Interest Group)は,「ゲーム教育」を研究テーマとして自主的な調査研究活動を担い,研究成果の発信と共有をはかる研究グループである.2014年6月,日本大学,東京工科大学合同で「サイバーセキュリティ学習」をテーマに「第2回シリアスゲームジャム」を実施した.このプロジェクトを通して,サイバーセキュリティの現場における学習シリアスゲームの有用性とニーズが確認でき,また,参加した大学生らのゲーム開発能力の向上が認められた.今回は,このプロジェクトの成果を中心にゲーム教育SIGの活動内容を報告するとともに,パネルディスカッションで「ゲーム教育の未来」を議論する. |
2015年3月8日(日) | ||
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10:00~11:20 | ゲーム史/ゲーム文化 | 日本のゲームセンターにおける社会統制と対応の変遷-ゲームセンター側の対策を中心に- |
MSX規格の変遷にみるホームコンピュータとビデオゲーム機の関係 | ||
歴史イメージとゲーム | ||
民俗文化とデジタルコンテンツ:信州渋温泉「モンハン渋の里」 | ||
シリアスゲーム(1) | 標的型攻撃メール対処能力向上を目的とした現場でのカスタマイズ可能なシリアスゲーム構築法 | |
数学学習を目的としたシリアスゲームMoe-Math2の開発 | ||
医療事故の低減を目的としたシリアスゲームの開発と初期評価 | ||
シリアスゲームの活用による学生と社会の接続フレームワーク構築 | ||
11:20~11:50 | インタラクティブ/ポスター | 展示セッション(インタラクティブ・ポスター)のデモンストレーションタイム(詳細)
・児童対象作曲学習支援システムのゲーム的要素の導入の検討 ・小学生向けの数学的分類力を学ぶアプリの開発 ・聴衆者参加型プレゼンテーションの提案 -「BPPT」の開発について- ・人狼知能プラットフォームの開発 ・インタラクティビティの観点からみた音楽パラメータ操作に関する検討 ・Kinect2センサを用いた介護予防ゲーム「レクリハ」の紹介 ・筆算奏: 筆算を音楽化するアプリ ・置換パズルの創作支援システムの開発 |
11:50~12:30 | 昼休み | |
12:30~13:20 | 基調講演 | 地方と世界をつなぐゲーム産業振興~仙台・オウルの国際都市間連携の取組み~ |
13:30~14:30 | 企画セッション | IGDA東北の設立とこれまでの活動について(詳細)
佐藤 充(国際ゲーム開発者協会東北代表) 2012年11月に設立したIGDA東北の設立背景や、これまでほぼ毎月継続して開催しているゲーム開発イベント(ハッカソン/GameJam)「FUSE」をはじめとした活動について報告します。 |
ゲーム開発と行政のプロがガチで組んだら何ができるか?~Iwate Game Factoryと岩手県庁の取り組み~(詳細)
吉岡直人(Iwate Game Factory 発起人/ジェネラルマネージャー) 保和衛( 岩手県秘書広報室副室長兼首席調査監) 2012年に岩手県盛岡市でその第一回を開催した「特濃!ゲーム開発塾」は、毎年真夏に行われる5日間連続ワークショップです。講師は、プログラミング、アート、サウンド、ゲームデザイン、プロデュースなど、各技術分野において活躍されている現役の方をお招きし、参加者はゲーム開発のすべての側面を学んでいきます。 参加者年齢層は高校生から、すでに経験を積んだ40代のベテランにまで、技術系の方、アート系の方など幅広くご参加いただいているのも特徴です。このような形式のワークショップは、主催者が知る限り世界にも例がないものです。最近では、夏のワークショップ以外の講演会開催、Ingressイベントなどにも発展しています。 「特濃!ゲーム開発塾」のような活動を通して、岩手県は何を仕掛けようとしているのか? ゲーム開発技術の普及は地域振興に役立つのか? ゲームを題材として用いることの功罪とは何か? 地方で継続性を持ったヒット作の開発は可能なのか? 3年間の活動を通して得られた成果や、見えてきた課題について報告します。 |
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14:40~16:00 | シリアスゲーム(2) /ゲーム教育 |
数学的思考力ゲーム制作を通した低学年生の開発力向上の事例 |
キャリア学習カードゲーム「ジョブスタ」の開発と評価 | ||
FDのためのアクティブラーニングゲームの設計 | ||
企画力の基礎を作る「ラピッドプランニング演習」 | ||
UI・UX | アクションポイント制ソーシャルゲームにおける離脱要因の実証実験による検証 | |
生体情報を用いたFPS ゲームにおけるユーザーエクスペリエンスに関する研究 | ||
ゲームプレイの熟達が覚醒感に与える影響 | ||
データベースのゲームUI的視覚化に関する研究 | ||
16:10~17:30 | コミュニティ /ゲームメディア | 勉強会コミュニティでのコラボレーション事例 ~同じテーマを異なる視点で捉えることの意味~ |
オンラインゲーム・コミュニティの研究 艦隊これくしょん~艦これ~の事例から | ||
ジャーナリズムの視点から見たゲーム機の流行~『週刊ファミ通』における作品評価についての考察~ | ||
アーカイブ | オンラインゲームのアーカイブ構築を取り巻く課題と論点 | |
ゲーム保存研究のパースペクティブー文献調査を通じてー | ||
デジタルゲームにおけるプラットフォーム概念の基礎的区分の再提案 | ||
コンピュータ・ゲームに関わる諸データベースの問題と可能性 | ||
17:30~17:40 | クロージング |
みなさまの日頃の研究の成果を、是非年次大会でご発表ください。つきましては、以下の要綱にて発表者を募集いたします。
発表ご希望の方は、以下の要領をご確認の上お申し込みください。
※口頭発表・インタラクティブセッションの発表は、発表者の中に少なくとも一名学会員の方が含まれている必要があります。
※発表の応募は締め切りました。
(1)口頭発表
(2)インタラクティブセッション
(3)企画セッションの3スタイル
(1) 口頭発表
口頭発表は、テーマごとに3~4件の発表をまとめて90分~2時間程度のセッションを設定します。
各自の持ち時間は、質疑応答を含め20分程度です(詳細は発表者へ事前にお知らせします)。
(2)インタラクティブセッション
インタラクティブセッションは、発表者が自身のポスターやデモ機の前で説明を行う形式です。
実機デモを用いての報告をしたい方、あるいは議論を深めたい方はこちらの形式の発表もご検討ください。
(3)企画セッション
企画セッションとは、あるテーマを設定し、1名のセッション代表者と3~4名程度の発表者をとりまとめて応募するという形式での公募です。
発表ご希望の方は、
1)申込者の氏名・メールアドレス
2)発表種別(口頭発表、インタラクティブセッション、企画セッション)
3)発表タイトル
4)発表者全員の名前と所属、会員種別
※学生大会奨励賞は代表発表者が学生会員のみが対象となります。
5)発表要旨(100~200字程度、企画セッションはセッション要旨とそれぞれの発表の要旨をそれぞれ100~200字程度で)
6)展示概要、使用機材(インタラクティブ発表希望の方のみ)
を発表申込フォームよりお申し込みください。
※発表の応募は締め切りました。
発表が採択された方は【2015年1月30日(金)】までに、Wordの標準フォーマットで4ページ以内の予稿集向け論文ファイルをWord形式で実行委員会までご提出いただきます。
2014年度年次大会 予稿受付フォームはこちらから
宮城大学
大和キャンパス
〒981-3298 宮城県黒川郡大和町学苑1番地1
http://www.myu.ac.jp/soshiki/univ/univ5.html
(印刷用ページ)
交通案内
最寄り駅・会場間のバス時刻表はこちらです。
[往路]
仙台駅前発・宮城大学行き
いずみ中央駅前発・宮城大学行き
[復路]
宮城大学前発・各駅行き
宿泊・観光
日本デジタルゲーム学会 2014年度年次大会 つぶやきまとめ
http://togetter.com/li/792260