投稿日:2021年10月9日 / 更新日:2022年10月27日


〇日本デジタルゲーム学会 2020年度 学会賞

渋谷明子(しぶや あきこ)氏 創価大学 文学部 教授

推薦理由

渋谷明子氏は長年テレビゲームの暴力表現が子どもに及ぼす影響、ソーシャルゲームの課金がゲーム依存に及ぼす影響について研究を重ね、その研究成果を国内外で数多く発表している。研究成果を、国内外の学術論文、学会発表のみならず、書籍として分かりやすく解説し、社会に還元している。また、近年は、デジタルゲームにおけるダイバーシティについて研究を推進し、重要な研究課題に先駆的に取り組んでいる。加えて、本学会においては、2014年より編集委員として貢献している。

以上から、渋谷明子氏はデジタルゲーム研究と本学会の発展に大いに貢献してきた人物であると判断し、日本デジタルゲーム学会・学会賞にふさわしい受賞者と考え、ここに推薦するものである。

中村彰憲(なかむら あきのり)氏 立命館大学 映像学部 教授

推薦理由

中村彰憲氏は長年メディア産業とエンターテインメント産業の未来をグローバルな視点から分析することをモットーとし、近年はオンラインコンテンツ産業に関する研究を行っている。

日本デジタルゲーム学会では設立当初から理事、広報委員長を担当の後、2010年からは副会長、2018年には会長として就任し、2019年8月に京都で開催したDiGRA 2019では大会委員長を務め、日本デジタルゲーム学会の国際性向上に貢献した。

以上から、中村彰憲氏はデジタルゲーム研究と本学会の発展に大いに貢献してきた人物であると判断し、日本デジタルゲーム学会・学会賞にふさわしい受賞者と考え、ここに推薦するものである。

遠藤雅伸 (えんどう まさのぶ)氏 東京工芸大学 芸術学部 教授

推薦理由

遠藤雅伸氏は長年ゲーム業界でゲーム開発者として活躍、代表作は「ゼビウス」や「ドルアーガの塔」など。中でも「ゼビウス」は敵出現テーブルを導入することによりプレイヤーユニットが破壊されると出現する敵が徐々に弱いものに戻る機能を導入し、これは現代のメタAIの原点の一つとなった機能である。また、2014年から学位取得を目指して博士前期課程を経て博士後期に入学、2020年3月に学位論文「ゲーム道に通じるユーザーの振る舞いとゲームデザインへの応用」で博士(工学)を取得した。「ゲーム道」は、2019年8月に京都で開催されたDiGRA 2019の懇親会では各国から集まったゲーム研究者全員が一斉に鬨(とき)の声「GE-MU-DO」をあげ、各国のゲーム研究者の耳に焼き付けた。

日本デジタルゲーム学会では設立当初から理事、研究委員長を担当の後、2016年から副会長を務めている。

以上から、遠藤雅伸氏はデジタルゲーム研究と本学会の発展に大いに貢献してきた人物であると判断し、日本デジタルゲーム学会・学会賞にふさわしい受賞者と考え、ここに推薦するものである。

 

〇日本デジタルゲーム学会2020年度若手奨励賞

福山 佑樹(ふくやま ゆうき)氏 関西学院大学 教務機構ライティングセンター 准教授

推薦理由

福山佑樹氏はこれまで一貫してゲームと教育・学習について研究を重ね、その成果を学術論文や書籍、学会などで発表している。ゲームを利用した教育・学習および教育・学習にゲームの要素を導入した研究を推進している。前者では、環境問題の社会的ジレンマ、大学生のキャリア形成、若手教師のメンタリング、後者では小学校における電子教材の使用を検討している。今後は当該分野の研究のさらなる発展と応用が期待される。

日本デジタルゲーム学会では編集委員、第11回年次大会では実行委員を担当している他、第11回年次大会では1件発表する等貢献している。

以上から、福山佑樹氏はデジタルゲーム研究と本学会の発展に大いに貢献してきた人物であると判断し、日本デジタルゲーム学会・若手奨励賞にふさわしいと考え、ここに推薦するものである。

梶並 知記(かじなみ ともき)氏 文教大学情報学部情報システム学科講師

推薦理由

梶並知記氏は情報可視化やエンタテインメントコンピューティングに関する研究をおこなっており、近年は特にデジタルゲーム競技(e-Sports)に関するプレイ分析や技能向上、観戦支援について、 情報学の立場から研究を行っている。

日本デジタルゲーム学会では第8回年次大会で2件、第9回では3件、第11回大会では2件発表する等、学生の研究指導面で活躍している他、研究委員会委員、編集委員会委員として貢献している。年齢が40歳であるが、「原則40歳未満」という規定の「原則」の範囲内と考える。

以上から、梶並知記氏はデジタルゲーム研究と本学会の発展に大いに貢献してきた人物であると判断し、日本デジタルゲーム学会・若手奨励賞にふさわしいと考え、ここに推薦するものである。

 

〇日本デジタルゲーム学会 日本デジタルゲーム学会 第11回年次大会 学生大会奨励賞

中井理貴 氏(東京工芸大学 芸術学部)

「デジタルゲームにおける難易度とプレイヤー主観で感じる難しさの違いに関する研究」

プレイヤーの主観の観点からゲームの難易度を定性・定量調査に基づいて検討しており、ゲームの難易度の概念把握に寄与する有用な研究内容であり、今後の発展が期待される。

(共著者)

遠藤雅伸(東京工芸大学 芸術学部)