投稿日:2019年4月1日 / 更新日:2021年10月9日


〇日本デジタルゲーム学会 2018年度 学会賞

立命館大学ゲームアーカイブプロジェクト

推薦理由

 1998年4月にスタートした立命館大学ゲームアーカイブプロジェクトは、ゲーム機、ゲームのみならず、パッケージ、説明書、ゲーム雑誌、チラシ、ゲームとゲーム周辺のありとあらゆるものを保存する活動を続けている。多岐に渡るゲーム産業のメディアミックスの歴史を収集・編纂することで、日本のゲーム文化そのものを保存する新しい試みに挑戦し、その手法を確実に確立して来た。
それぞれのメディアごとに異なる保存法を実施しており、その多角的・総合的な保存の手法の開拓の研究はゲーム研究に携わる人材を育てる母体となって来た。
これらの研究は、世界的にゲーム保存の運動が展開する中で、日本のゲーム保存運動を牽引するものである。
またアーカイブズとしてデータベースを始め部分的にその成果は社会に還元されている。デジタルゲーム研究を基礎付けるための役割は大きい。
本プロジェクトは大事業であり、完成するにはさらなる長い年月が必要であるが、まずその大きな基礎の構築を果たしたと評価するものである。

 

〇日本デジタルゲーム学会2018年度若手奨励賞

川﨑 寧生(かわさき やすお)氏(立命館大学大学院先端総合学術研究 博士課程)

推薦理由

 川﨑寧生氏は、本学会の大会や論文誌で重要な発表を行っている若手研究者の一人である。社会学の概念と方法に基づいて、日本のゲームセンター、喫茶店、子ども向けゲームコーナーに置かれたデジタルゲームの歴史的研究を行っており、近年では、日米のゲームセンター史の比較分析にも取り組んでいる。社会学分野からのゲーム研究をリードする若手として、今後も積極的役割を果たすことが期待される。
以上から、川﨑寧生氏は、デジタルゲーム研究と本学会の発展に大いに貢献してきた人物であると判断し、日本デジタルゲーム学会・若手奨励賞にふさわしいと考え、ここに推薦するものである。

粟飯原 萌(あいばら めぐみ)氏(日本大学生産工学部数理情報工学科 助手)

推薦理由

 粟飯原萌氏は、本学会にて継続的に重要な学会・論文発表を行うと同時に、本大会、夏季研究大会、広報委員会を牽引している若手研究者の一人である。教育工学の立場から、学習者の動機づけ向上のためのモデルの提案とそのモデルを応用したシリアスゲーム構築法に関する研究などを行い、2017年には博士(工学)を取得している。また、本学会で広報委員として学会公式サイトやインスタグラムの開発・運営に携わり、学会教育SIGの公式イベント「シリアスゲームジャム」開催にも第1回から尽力してきた。
このように粟飯原氏は、デジタルゲーム研究と本学会の発展に献身的に貢献してきた人物であると認められ、日本デジタルゲーム学会・若手奨励賞にふさわしいと判断し、ここに推薦するものである。

 

〇日本デジタルゲーム学会 学生大会奨励賞

小田 凌平(おだりょうへい)氏(岡山理科大学)

(タイトル)
「視線に着目した対戦型格闘ゲームの試合振り返り支援インタフェース」

(推薦文)
自身の振りかえりのみならず他プレイヤーの映像をみることで価値が増大しそうなシステムであり有用性が高い.対戦格闘ゲームの技術向上支援にくわえe-Sportsのスペクテイト手法としての価値も高く,今後の発展が期待できる研究である.

(共著者)
梶並 知記 岡山理科大学

 

平松 燿(ひらまつ よう)氏(東京有明医療大学)

(タイトル)
「eスポーツ選手が抱える愁訴と鍼灸治療有用性検討 – プロゲーマーに対するインタビュー調査 -」

(推薦文)
プレイヤーに焦点をあてた医療現場の実践研究は本学会では稀であり貴重な知見である.デジタルゲームに関連する研究分野を拡充する研究として高く評価する.

(共著者)
高梨 知揚 東京有明医療大学大学院 保健医療学研究科 鍼灸学分野
矢嶌 裕義 東京有明医療大学大学院 保健医療学研究科 鍼灸学分野
高山 美歩 東京有明医療大学大学院 保健医療学研究科 鍼灸学分野
Crystal L. Patil University of Illinois at Chicago, Department of Women, Children and Family Health Science
Judith M. Schlaeger University of Illinois at Chicago, Department of Women, Children and Family Health Science
高倉 伸有 東京有明医療大学大学院 保健医療学研究科 鍼灸学分野