投稿日:2018年8月14日/ 更新日:2018年8月15日


日本はすさまじい酷暑のようですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
ヘルシンキも歴史的酷暑で、30度を超える日が何日かありました。日本に比べると気温は低いですが、フィンランドは普段は夏でも最高気温が20度程度までしか上昇せず、ほとんどの建物で(大学やカフェですら)空調がありません。扇風機もあっという間に売り切れて街中から消えてしまい、涼を取るにはシャワーを浴びるぐらいしかありませんでした。熱中症気味でふらふらする中で水を浴びたりしながら過ごす、という希有な経験をしました。

高温注意報や高温警報が出る大変暑い中、8月にはヘルシンキの見本市会場Messukeskusで大規模なゲームイベント“Assembly Summer 2018”が開催されました。熱中症気味であまり回れていませんが、そのときの様子をレポートします。

Assembly Summer2018会場入り口

(1)Assembly とは
Assembly Summer2018はその前身となるイベントが1992年から行われています。Assemblyと言う名が付くようになったのは1995年からです。Webページの歴史のところに商才がありますが、イベントの目的はスタート当初から変化していません。その箇所を引用してみると以下のようになります(https://www.assembly.org/summer18/about-us/history)。

Since this party a lot of has happened, but the idea is still the same – getting like-minded people to gather at one central place, making sure everything runs well, having great compos, and still enjoying yourself while working like crazy for over 70 hours straight. =)
(このパーティが始まってから多くのことがあったけど、アイデアはずっと同じです。同好の士が一つの場所に集まり、全て上手くいっていることを確認し、みんなで協力し、70時間以上ぶっ続けで行われるクレイジーなイベントを参加者自身が楽しむことです。)

会場で販売されていたTシャツ。“SINCE 1992”と書かれている

会期中に行われるイベントは多岐にわたっており、参加した人は自分なりの楽しみ方をして帰っていくようです。2007年以降は夏冬の年2回開催となっています。規模感は異なりますが、見本市会場の大きな部分を借りて実施するゲームイベントという意味では日本の「東京ゲームショウ」に近く、一般の参加者達が盛り上がっているという意味では「コミックマーケット」に近いです。

Webページのプログラムのスクリーンショット。内容は多岐にわたっている。

(2)会場の様子
会場の半分近くは、東京ゲームショウのようなデモブースに物販ブースが混在したような感じでした。デモブースではゲームのデモに加え、技術的な講演、eSportsの実況、VRの体験などさまざまなブースが行われていました。

携帯キャリアの一つ、elisaのブース

eSportsの実況ブースは観客席もあり、その場で2チームが闘う本格的なものでした。実況担当者もおり、バトルを盛り上げていました。

eSportsの会場客席からの写真

また、大学や各種学校のブースもあり、ゲーム開発に興味がある子供達を呼び込もうと熱心に活動していました。学校ブースでは学生が開発したと思われるゲームのデモが流されていましたが、日本の大学と比べるとあまり水準が高いとは思えませんでした。

設営中のオウル大学ブース

物販では、ゲームソフトやボードゲーム、ゲームグッズ等を扱う店と、キーボードやヘッドセット、スピーカーなどのPCゲーム用の各種パーツを扱う店が出店していました。PCパーツ店の面積は他のデモブースと同規模とかなり広く、PCゲームが活発であることが覗えました。次に紹介する座席ブースの人たちが購入していたのかもしれません。

PCパーツの物販ブース

日本のイベントで見たことが無いものとしては、PC机が並んだブースがあります。1つの展示会場をほぼ丸ごと使って展開された机ブースは、料金を払って席を予約することで、Assembly Summer期間中は深夜も含めて自由に利用可能です。電源とネットワーク接続環境は提供されています。参加者はネットゲームをしたりSNSを見たりとその場を自由に楽しんでいました。コミケットのブースで見られるように自分のブース部分をデコる人もいて、横を通ってみているだけでも楽しい場所です。数は少ないですが、小中学生ぐらいの子供や、女性の参加者もいました。

ずっと利用可能と言うことで、「参加者はどこで寝ているのか」と思いましたが、机に突っ伏して寝たり、持ち込んだリクライニングチェアで寝たり、とさまざまでした。Webからチケットを購入時に参加ルールを読みましたが、「通路で寝ないこと」「アルコールは禁止」という記載がある程度で、特にうるさいことを言っている様子もありません。ボランティアの方の努力はあるのでしょうが、人々の自律性の高さを感じます。

机ブース。PCやモニタは各自が持参する。

eSportsの実況ブースの座席から机ブースを望んだ様子。かなり広いことがわかる。

全体を通しての印象としては、いい意味でフィンランドらしい「緩さ」を感じるイベントでした。これまでの4ヶ月ほどの滞在で、フィンランドは人々の自立心が高く、合理性を尊ぶ指向性が高いと感じています。それが、机ブースでいい意味で「他人を尊重するとともに、不干渉をつらぬく」という形で現れていました。

また、デモブースに東京ゲームショウのようなコンパニオンはおらず、各ブース内に設置してあるベンチやクッションでは宣伝と関係なく、参加者が自由にくつろいでいる様子が見られました。

フィンランドのゲーム文化の一端に触れることができたイベントでした。

(3)おまけ
Assembly Summerにブースを出している中には、コンピューターカルチャー雑誌であるSKROLLI(https://skrolli.fi/en/)もあり、AmigaとAtariSTが置いてありました。また、近年のeSports隆盛への協賛として古いQuakeで1対1対戦トーナメントを行っていました(https://skrolli.fi/tiedotteet/computer-culture-magazine-skrolli-rocks-assembly-2018-with-the-skrolli-quake-tournament/)。

私はそこで販売していたInternational Editionの雑誌を買ってみたのですが(https://skrolli.fi/en/international/)、NokiaのN-Gageの記事など、マニアックな記事が満載でした。また、表紙からわかるように、フィンランドでは8ビットではコモドール64、16ビットではアミガが市場で中心だったようです。