投稿日:2017年9月17日


日本デジタルゲーム学会の小林(七邊)です。9月7日~13日に行ったフィンランド出張のご報告の2回目です。今回は、同国第2の都市とも呼ばれるタンペレでの調査内容についてご報告します。タンペレでの活動は、主に次の通りでした。

9月10日(日) Tracon参加
9月11日(月) タンペレ大学訪問
9月12日(火) ゲーム博物館

まず、「Tracon」について。9月10日、現地で日本とフィンランドをつなぐマンガ同人誌活動をされているサークル「さんま雲」の太田様とピンヤ様などのご厚意で、タンペレで毎年開催されているRPGやアニメ、マンガのファンイベント「Tracon 2017」に参加しました。日本からの参加者も多いためか、イベントの日本語ページも用意されていました。

Traconは、有志に運営されているイベントです。12回目を迎える今年は、9月8日~10日にムーミン博物館も設置されているタンペレホールで開催されました。5,000人以上が例年参加する国内最大規模のファンイベントですが、今年はついにチケットが事前に完売しました。なお、ヘルシンキでは「YUKICON」というビデオゲームに関する大きなイベントが開かれているそうです。

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イベントの解説をして頂いた太田さんによると、フィンランドのファンイベントの特徴の一つは、自宅やホテルからコスプレをしてきても構わないということで、親がコスプレをした子を自動車で会場まで送り届けることもあるそうです。タンペレの街もコスプレをした若者で賑わっており、私たちが宿泊していたホテルにも、コスプレ姿の人の姿が目立ちました。一方、Tracon終了後は人の姿が減り、街がとても静かな雰囲気になっていました。

ファンイベントがコスプレを許可しているのは、コスプレをプログラムに入れると若い参加者が集まるためだそうです。一方、イラストやステッカーなどのグッズを販売している出展団体も見られたのですが、マンガ同人誌は、さんま雲さんの作品を除けば、それほど見当たりませんでした。フィンランドの人びとのマンガ制作リテラシーは、日本に比べると、まだそれほど高くないのかもしれません。また、薄い同人誌の背表紙を創れる印刷会社もないそうで、さんま雲さんは日本で同人誌を作って、フィンランドに運んでいるとおっしゃっていました。

ただ、さんま雲さんのマンガ同人誌の影響で、フィンランドでも同人誌が少しずつ増えてきているとのことです。同サークルは、日フィン合同のマンガ同人誌やイラスト、グッズを頒布されるとともに、フィンランドの有名なお菓子サルミアッキの人気投票も行われていました。なお、さんま雲さんには、日本のコミケの壁サークルであるProject.C.K.さんも参加されていました。

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Traconでは、アーティストのイラスト(約10ユーロ)などの他、日本の商業マンガやゲーム、グッズ、お菓子なども販売されていました。日本の商業マンガをフィンランド語に翻訳して販売している出版社TAMMIのAntti Valkamaさんによると、通常のコミックは初版で2,500部を印刷するとのことですが、『進撃の巨人』は人気で1万4,000部刷るとのことでした。TAMMIさんは、『黒執事』『あずまんが大王』『魔法使いの嫁』や、同国で鉄板人気の『銀牙』を、2~4ユーロで販売されてました。

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また、会場では、日本のビデオゲームやカードゲームが遊べる空間が用意されていました。さらに、屋外ではプレイヤーが現実の空間で、虚構のキャラクターの衣装を着てその役を演じて楽しむLive Action Role-Play(LARP)も行われていました。RPGやマンガ、アニメ好きの方々が参加する、とても素敵な空間でした。

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Traconの話が長くなったので、タンペレ編をもう一回書きます。